自殺の名所

全国各地に「自殺の名所」というものがある。

全国的に有名なのは富士山麓の青木ヶ原樹海だ。

ここをうろつくと本当に首吊り死体や白骨死体に遭遇するというから恐ろしい。

関東では秩父も人気(?)なのだという。

ハイキング客も少ない寂しげな場所を一人でウロウロしている人がいたら、それは自殺志願者かもしれない。

しかし、もしかしたら家出人捜索をする探偵の可能性もある。

探偵の家出人探しと言えば、都心のネットカフェなどをローラー調査するのが定番だが、遺書がある場合などはこういう場所も探しにくるのだという。

すぐに下りられない崖の下とかはドローンを使って探したりもするそうだ。

自殺志願者は決行前に大量のお酒を買っていく傾向があるため、自殺の名所の近所の酒屋・コンビニ・土産物屋などでそういう人がいなかったか、聞き込みもするそうである。

自殺決行前に泣きながら酒を飲んでいる家出人も悲惨な光景だが、それを黙々と探し続ける探偵もすごい。

全国の自殺の名所では、このような自殺志願者と探偵によるサイレントドラマが展開されているのである。

それにしても、どのようにして「自殺の名所」というものが生まれるのかな?

志願者が「ここ、いい場所だよ」ってSNSでシェアするわけでもあるまいに。

近所にそんなもんができた日にゃ、もとからいる住民は大迷惑だね。

探偵に憧れた少年時代

男の子なら小さい頃に探偵に憧れたことがある人は多いのではないだろうか?

私もそんな一人だった。

ちゃちな変装道具とかルーペが入った探偵セットを使って探偵ごっこをしたものだった。

私のヒーローは「探偵物語」の松田優作だった。

もう少し大きくなると海外のハードボイルドを読むようになり、フィリップ・マーロウが松田優作に取って代わった。

現実の探偵がどんなものかを知るようになったのは、大人になってずいぶん経ってからだ。

彼らの仕事は浮気調査が7割、人探しが2割、その他が1割くらいだ。

その他というのは結婚身元調査とか、外回り営業マンのサボり調査とか、盗聴器発見とかだ。

警察の捜査が暗礁に乗り上げたような刑事事件に介入して、目の覚めるような解決をする華やかな仕事ではない。

それはフィクションの中の話だ。

探偵の実態を知るには、原一探偵事務所・訪問取材レポートというサイトが参考になる。

探偵業界は数千社の届け出があるが、個人企業・零細企業が参入と廃業を繰り返している世界らしい。

原一探偵事務所はそんな業界で43年も続いている老舗で、全国に18か所も拠点展開している大手だ。

サイトのインタビューを読んでいると、探偵の調査現場が目に浮かぶ。

かなり地味で忍耐力と体力と集中力が要求される。

自分にはとてもできない。

ドラマや映画と現実は違うが、プロの探偵は高い技術と誇りをもって仕事をしてるんだな、と納得した。

ゲルマニウム美容とは違うんだ!

ゲルマニウムが美容に良いという説があり、同元素を使用した美容器具がある。

一度、その真偽について調べてみたことがある。

結論は効果がないどころか有害の可能性もあるというものだった。

ゲルマニウムは確かに特殊な性質を持った不思議な物質だ。

物質は電気を通す導体(金属など)と不導体に分かれるが、ゲルマニウムは状況によって電気を通したり通さなかったりする半導体だ。

その性質がトランジスタに応用されて、今日の電子工学時代をもたらした。

だが、不思議な物質だから体にいいとか、美容に効果があるというのは、何の根拠もない話だ。

ミドリムシの健康効果についても、以前は同じような話だと思っていた。

ミドリムシは植物と動物の中間に位置する不思議な生き物だ。

植物のように葉緑素があって光合成するくせに、動物のようにべん毛があって自力で動き回る。

だが、神秘的な生き物だということは人間の健康に良い根拠にはまったくならない。

しかし、ある時、機会があってミドリムシの大量培養に初めて成功したベンチャー企業の社長の本を読んだ。

東大農学部卒の出雲充社長で、産業ベースで養殖している(株)ユーグレナの代表者だ。

この本を読んで、ミドリムシは魚・野菜・肉の栄養を併せ持つすごい生き物だということを初めて知った。

ミドリムシ(ユーグレナ)のサプリには根拠がある。

不勉強を反省して叫びたい。

ミドリムシサプリはゲルマニウム美容とは違うんだ、と。

老人運転者の問題

老人運転者が重大な交通事故を起こす例が増えている。

一番多いのがアクセルとブレーキの踏み間違えで、コンビニに突っ込んだとか、しょっちゅう聞く。

それから高速道路の逆走。

これをやる人は認知症が入っている可能性があり、運転免許を持たせていることがそもそも問題。

最近では老人が煽り運転の挙句、前方走行車を止めて脅迫する事件まで起きた。

お年寄りには早めに運転免許を返納してもらいたいが、年を取るほど歩くのが大変になって車の必要性は増すというジレンマがある。

困ったものだ。

ところで、こういう老人の交通事故で被害者になることも考えられる。

こちらがいくら注意していても、相手がボケていたらどこで事故に遭うかわからない。

交通事故損害賠償では後遺障害等級が大きな役割を持つ。

後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益という金額の大きい費目を左右するのがこの等級だ。

しかし、いくら症状がひどくても、CTやMRIで損傷が明確に写っており、それが事故で発生したものだと証明できて、かつその損傷と起きている症状のつじつまが合わないと、なかなか上位の等級をもらえない。

老人に轢かれて高次脳機能障害になって下位の等級しか認められず、保険金もわずかなのに、仕事も見つからない、なんてことになる可能性があるわけだ。

しかも、老人の人口構成比が上昇するこれから、そんな危険が町中に溢れかえることになる。

やはり、公共交通機関の便利な立地に安価な老人用住宅を用意してもらうなどの政策で、免許返納を推進していただきたいものだと思う。